インフルエンザワクチン

予防対象となる病気

病名:インフルエンザ(Influenza)

病原体:A型インフルエンザウイルス(Influenza A virus)、B型インフルエンザウイルス(Influenza B virus)

主な症状:38℃以上の急な発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛、咳、鼻水など

合併症:肺炎、急性脳症、心筋炎、二次性細菌感染など(乳幼児・高齢者・基礎疾患のある方で重症化リスクが高い)

ワクチンの概要

不活化ワクチン(注射):三価(A型2株+B型1株)

生ワクチン(フルミスト®/点鼻):三価(A型2株+B型1株)

不活化ワクチン(注射)

対象

生後6か月以上

構成

三価(A型2株+B型1株)

  • A/ビクトリア/4897/2022(H1N1)
  • A/パース/722/2024(H3N2)
  • B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)

接種回数・方法

  • 6か月〜3歳未満:0.25mLを2回(2〜4週あける)
  • 3歳以上13歳未満:0.5mLを2回(2〜4週あける)
  • 13歳以上:0.5mLを1回、必要に応じて2回(1〜4週間隔)
  • 経路:皮下注射

禁忌

  • 明らかな発熱のある者
  • 重篤な急性疾患にかかっている者
  • 本剤成分に対しアナフィラキシー既往のある者

注意事項

  • 卵アレルギーのある方は事前に相談
  • 免疫抑制状態では効果が減弱する可能性

副反応

  • 接種部位の赤み・腫れ・痛み
  • 発熱、倦怠感、頭痛
  • まれにショック、アナフィラキシー、神経疾患(ギラン・バレー症候群、ADEMなど)、肝機能障害、血小板減少、血管炎など重篤な副作用

生ワクチン(経鼻:フルミスト®)

対象

2歳以上19歳未満

構成

三価(A型2株+B型1株)

  • A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)
  • A/パース/722/2024(H3N2)
  • B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)

接種回数・方法

  • 原則1回/年
  • 用量:0.2mL(片側鼻腔0.1mLずつ)
  • 経路:鼻腔内噴霧

禁忌

  • 2歳未満
  • 妊婦
  • 本剤成分に対しアナフィラキシー既往のある者
  • 重度の卵アレルギー、ゼラチン過敏症のある者
  • アスピリンや一部NSAIDs(ジクロフェナク、メフェナム酸等)服用中の者
  • 免疫不全または免疫抑制治療中の者

注意事項

  • 喘息や喘鳴の既往がある2〜4歳児は注意
    当院では過去1年以内に発作がなければ接種可、発作歴がある場合は不活化推奨
  • 接種後1〜2週間はワクチンウイルス排出があるため、重度免疫不全者・妊婦・2歳未満児と濃厚接触の可能性がある場合は不活化推奨
  • 強い鼻閉がある場合は効果減弱の可能性
  • 同居者に妊婦・乳児・免疫抑制者がいる場合は不活化を推奨
  • 抗インフルエンザ薬併用で効果減弱の可能性

副反応

  • 鼻水、鼻づまり、咽頭痛
  • 発熱、頭痛、咳嗽
  • 国内試験で鼻閉・鼻漏が約6割、咳嗽約3割に出現
  • まれにアナフィラキシーなど重篤な過敏反応

比較表

項目 不活化ワクチン(注射) 生ワクチン(フルミスト・点鼻)
対象 生後6か月以上 2歳以上19歳未満
構成 三価(A2+B1) 三価(A2+B1)
接種回数・方法 6か月〜3歳未満:0.25mL×2回(2〜4週)
3歳以上13歳未満:0.5mL×2回(2〜4週)
13歳以上:0.5mL×1〜2回(1〜4週間隔)
皮下注射
年1回、0.2mLを鼻腔内噴霧(片側0.1mLずつ)
禁忌 発熱、急性重症疾患、成分アナフィラキシー既往 2歳未満、妊婦、成分アナフィラキシー既往、卵/ゼラチン過敏、アスピリン等内服中、免疫不全
注意事項 卵アレルギーは要相談、免疫抑制で効果減弱 喘息・喘鳴既往児は注意(当院方針あり)、接種後ウイルス排出に配慮、強い鼻閉で効果減弱、同居者条件に注意、抗インフルエンザ薬で効果減弱
副反応 局所の赤み・腫れ・痛み、発熱、倦怠感、頭痛、まれにアナフィラキシー・神経疾患・血液障害など 鼻水、鼻閉、咽頭痛、発熱、頭痛、咳嗽、30〜40%で感冒様症状、まれにアナフィラキシー

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